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ハイホー♪って……ちょっと待てぇぇえ!!
何だ、コレ?
何だ、コレェェエー?!
混乱極まりない俺の視覚を支配するのは、上から糸で吊るされて手足をカクカク動かす人形たち。
それらがライトに照らされ、ステージ上で右に左に物語をつくりだしていく。
そう、俺の目の前で繰り広げられているのはまさにあやつり人形劇だった。
ハイィィイ?!
あやつり人形ですか、オイィィイー!!
よく見ればどのあやつり人形からも普通の糸とは別に確実にチャクラの糸が伸びていて、それがまた異様に細かなリアリティある所作を生み出している。
何、ソレ、いらねぇーじゃん!
あやつり人形にそんなリアリティいらねぇーじゃん!!
あやうくその場にへたり込みそうになった俺は、力を振り絞り近くの空いている座席に体をおさめた。
震える。
体が微妙に震える。
そんな俺に舞台の人形たちはまったくお構いなしに着々と話を進めていく。
大会、優勝、告白―――。
俺の夢が頭の中で起爆札で吹っ飛んだように玉砕される姿が見えた。
ああああぁぁぁぁ……。
俺たちのあの愛と努力と愛と愛に包まれた修業の成果はこんなあやつり人形の劇だったっていうのか?!
俺は両腕で頭を抱えた。
今なら毎日、夕方この体育館でアイツが何をしていたかも理解できる。
この人形劇の練習だ。
あやつり人形の練習だ。
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