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ようやく俺は体育館の前に辿りついた。
大会のスタートからはずいぶんと遅れてしまったが、戦いも中盤をむかえ、会場もきっと白熱しているに違いない。

名無子!!

熱い思いを胸に、俺は体育館の扉をガラッと勢いよく開けた。
俺の目に歓声飛び交う熱気に包まれた会場が飛び込んで……。

って、飛び込んでこねぇー!!
アレ?
アレェェエ?!

そこには真っ暗に静まり返った客席が広がるばかりだ。

えぇ?!
どおゆうことじゃぁぁあん?!

俺が扉を開けたことでおきた音と光を座席に座った人たちが迷惑そうに振り返る。

「すんません……」

とりあえず俺は負け犬のようにスゴスゴと扉を閉めた。
そんな俺の耳に聞きなれた声が届く。
名無子の声だ。

「まぁ、おいしそうなリンゴ! ガリッ。あぁぁ!!」
「ふふふぁはっはっはー」

え、えぇぇー?!

俺はあわてて声のほうを振り向いた。
光が当たっている。
ステージだ。

「ハイホーハイホー♪あっ! 白雪姫!! 大変だ、白雪姫が倒れているゾッ!!」



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