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使うなってことか?
それほど使うなってことなのか?!

油取り紙一枚一枚に丁寧に名前を書き込んでいるテマリの姿を思い浮かべて思わず引きつる。
が、しかし。
それだけでは終わらなかった。
名前が書いてある端とは別の角に、線と丸で簡単に書かれた変な人の絵が描かれている。

こ…これは……。

俺は勇気を出して、パララララ…とページを流してみる。
その人の絵が少しずつアニメーションのように動いていった。

って、パラパラマンガかよッ!!

しょぼさ炸裂の列記としたパラパラマンガである。

なんなんだ?
なんなんだ、テマリ?!
アイツ一体なにがしたいんだ?!
確かにやるけど、ノートの端っことかにこーゆーの書いちゃうけど!!
わざわざ油取り紙にやんなくてもいーじゃん?!
意味わかんねぇー!!

そんな心の叫びとともに、俺があまりにヘボヘボなマンガから目が離せずにパラパラめくり続けていると、突然その中の絵が石につまずいてコケた。

「ぷッ……」

不覚にも俺は笑いを漏らしてしまった。

いやいやいや、俺こんなんで笑ってる場合じゃないじゃん!!

俺は自分を叱咤して、勢いよく油取り紙を台紙からはがした。
それで丁寧に顔の皮脂を取っていく。
16枚ほどの油取り紙を消費し、完ペキにテカリを撃退した俺は、妙な疲労感を振り払うかのように再びアカデミーの体育館を目指した。





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