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ドタバタバタと自宅の階段を駆け降りた。
なんてことだ、遅刻じゃん!!
今日は待ちに待った名無子の大会の日だ。
俺は早目に起きだして、いつもより丹念に丹念に丹念にクマドリメイクを施した。
しかし、そのせいでこのざまだ。
大会の始まる時間に間に合いそうにない。
それどころか、もうすでに大会は始まっているころだ。
きっと今頃名無子は観客席に俺の姿が見当たらず、不安がっているに違いない。
名無子ッ!!
心の中でそう叫び、急いで玄関でサンダルを履こうとした俺は、大切なものを忘れていることに気づき、ハッとした。
しまった、俺としたことが。
自分の部屋に戻るのももどかしく、一階の洗面所をのぞいてみる。
あるじゃん、あるじゃん!!
ラッキー!!
俺の目に、洗面台にのっていたおそらくテマリのものであろう冊子型の油取り紙が飛び込んだ。
せっかくいつも以上に凛々しくキマッたこのメイク(アゴのラインとか特に)が、皮脂で崩れちゃ意味がナイ。
俺はそれをバッと手に取ると、今度こそ玄関を後にした。
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