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「それで、もしよかったら来週の日曜に見に来てくれませんか、私の上達ぶりを……」

さらりと事情を説明してくる名無子に、

え、あ、ナイ……。
告白はナイ―――。

ドゴーンと落ちた俺の気持ちと同様、烏に乗っけていた右足がそこから滑り落ちた。

「カンクロウさん?」
「あ、あぁ…上達をね……。何かあるんだな、日曜に」

大会とか、そういう腕を競う場がきっと日曜にあるに違いない。

ん?
大会?

そこで俺はふと思う。

大会とゆーことは、そう、当然、優勝とか準優勝とかあるわけじゃん。
そしたら名無子はもちろんその優勝を狙うわけで……。
見事、優勝したあかつきに待ち受けるモノって言ったら、それは―――。
告白!!
それしかないじゃん!!

俺はパッと顔を輝かせた。

そぉか、そぉか、そぉゆうことか!!
こんなところで普通にコクるよりも、大会の後、優勝という俺らの汗と愛と涙と愛の結晶とも言うべき実りとともに思いのたけを告げようってことか!!
それしかない、それしかないじゃん!!

「行くじゃん! それは絶対行くじゃん!! 場所と時間を教えてほしいじゃぁぁーん!!」

俺の声と一緒に、砂をはらんだ砂漠の風が二人のまわりを吹き抜けていく。
その中で、名無子ががんばります! と気合いを入れた。





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