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名無子に追いついて、俺は愕然とする。
アイツ、ちゃんと用事があったんじゃん……。
名無子が向かっていたのは家なんかではなく、俺達も世話になったアカデミーの一角にある体育館だった。
その中にサササッと入っていく。
オイオイオイオイ……。
これじゃ話が違うじゃん。
push & goはどうした、push &……アレ?
ちょっと違うんじゃん?
push & goじゃ、まるでピンポンダッシュみたいじゃん?
一時期、我愛羅がハマってたピンポンダッシュみたいじゃん?
そうじゃなくて、えっと、なんだっけ?
hit & run?
んー確かにゴロはいいけど、それじゃあ日に焼けたさわやかな野球男児って感じだ。
俺のようなモテない暗さが感じられないじゃん。
って、そんなことはどうでもいい。
俺は体育館脇の茂みに身をひそめ、名無子を飲み込んだその出入口を見つめた。
アイツはなんだってこんなとこに……。
気になる。
俺との修行の後、こんな体育館に来て、一体何をしてるって言うんだ。
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