POSITIVE-1 (ページ7/13)
 bookmark?


「ごめんなさい。私、夕方は毎日、別の用事があって、だめなんです」

え、えぇーーー?!

「そ……そぉなんだ……じゃぁぁん」
「すみません。じゃあ、私はこれで。今日もありがとうございました」

理科ちゃんを担いで去りゆく名無子の姿を、俺はショックウェーブに飲み込まれながら見送った。

なんてことだ、俺がフラれるなんて……。
ダメなのか?
俺、ダメなのか?
いや、でも、待てじゃん。
恋愛とはこれまさに男と女の駆け引きゲーム。
とゆーことは、もしかして名無子のやつ、俺の誘いをすげなく断って、そのS的な仕打ちに俺が悶え苦しみ、さらには自分のことを意識し続けずにはいられぬ状況を作り出そうと、push & pullの原理を利用した押してダメなら引いてみろ作戦か?!
あぁ、そうじゃん、それしかないじゃん。

俺はさっそく自信を取り戻した。
そうとわかれば、こんなところでのんきにしてる場合じゃない。
別の用っていうのも、きっと口からの出まかせに決まってる。

お前が引くなら、俺は押すのみじゃん!!
今から追いかけて、あとはもう家に帰るだけであろうハズのお前を映画に連れ出してやろうじゃん!!

俺は烏を巻物へ収めると、急いで名無子の後を追いかけた。





(ページ7/13)
-7-
|
 back
select page/13

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -