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俺のその一言に名無子がニコーッと笑う。

「ほんとですか?! ありがとうございます!!」

名無子の笑顔を真正面から受けて、黒い装束に包まれた俺の体は急激に火照った。

ヤ、ヤバいじゃん。
女神のような笑顔ってゆうのはこうゆうのを言うんじゃん。
収めたい…。
フィルムに収めてしまいたい。
プリーズヘルプミー、監督!!
ちょっと、もう、どっかに監督いないの?!
カメラまわして!!
頼むから、この天使のほほえみでmovie一本撮っちゃってえぇぇ!!

「カンクロウさん?」

照りつける太陽に白昼夢を見ていた俺は、名無子の呼びかけにハッと我に返った。

「え、あぁ、movieじゃん」
「は? ムービー?」
「いやいやいや……ん? そうか、そうじゃん、movieじゃん」

俺はそこで閃いた。

「今日は修業はこれでおしまいじゃん。そんで、これから映画見に行こうじゃん!!」

俺って天才かもしれない。
なんてナチュラルな誘い方なんだ。
これぞ愛の浪漫飛行、夜のシャンゼリゼ通りが見えそうだ。



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