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はっきり言って理科ちゃんは凄い。
茶色いロングヘアーにパッチリお目目のベビーフェイス。
当然それは俺がデザインしたものだ。
いったん口を開けば毒ガスを噴霧し、指先からは毒針が発射され、あらゆる関節には隠し刃が仕込まれている。
そして、ここからがとっておきだ。
胸腹部を開けば、そこは―――。
五臓六腑を出し入れして遊べるパズル機能付きの至れり尽くせりな人体模型になっている。
さすが理科ちゃんだ。
これで胃の位置もバッチリだ。
たとえ我愛羅の重圧に耐えきれず、俺が胃酸過多になろうとも、その痛む位置から胃がヤバいとすぐわかる。
安心だ。
まったくもって安心だ。
そんな世界にまたとない無二の傑作、理科ちゃんを手に、名無子が一生懸命、俺との攻防を繰り返していた。
「右がガラ空きじゃん!!」
俺は叫ぶと同時に名無子の守りの薄い右側を一気に烏で攻め込んだ。
ドスドスドスッと打ち込まれた刃物を、
「きゃあッ!!」
と避けた名無子の手から理科ちゃんを操っていたチャクラがプッツリと離れた。
俺はそこで攻撃をおさめると、名無子のそばまで近づいた。
「確かにまだまだだけど、ちゃんと上達してるし、いい感じじゃん」
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