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砂漠地帯に広がる演習場で、乾いた日差しを浴びながら、俺の怒声が今日も響く。
「そんなんじゃダメじゃん!! まったくなってないじゃん!! もっと集中しろ! 指先に集めたチャクラを丁寧に操れ!!」
「はいッ!!」
俺はかわいい烏を操り、名無子に攻撃をしかける。
それを名無子は必死に避けていく。
名無子が手にする傀儡は俺の作った力作、理科ちゃんだった。
「はっ? 傀儡を持ってない?!」
「はい……実はそぉなんです……」
具体的に修行の話を始めた時に告げられた名無子の言葉に俺は唖然とした。
傀儡のひとつも持たずにスゴイ傀儡子になりたいと言ってる名無子に正直あきれた。
「そんじゃダメじゃん」
「はぁ……」
俺のダメ出しに名無子が困ったようなショゲたような目で俺を見上げた。
この目に弱い。
俺の心はノックダウンだ。
フッ、愛ってもんに試練はつきもんじゃん。
俺は自分自身にそう呟くと、
「まぁ、持ってないなら仕方ないじゃん。俺が作った傀儡人形、理科ちゃんを貸すじゃん」
「リ…リカちゃん?」
「あぁ、理科ちゃんだ。」
俺は意気揚々と答えた。
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