POSITIVE-1 (ページ2/13)
 bookmark?


ぎゃぁうーーー!
ダメじゃん、そんな上目づかい!!
弱いの、男はみんなソレに弱いの!!
ナースと上目づかいは俺にとっても、weak pointォォォ!!
そんなに俺のピュアなハートをもてあそびたいのか?
ワックスで烏を磨きこむことを生きがいとする俺の日常を踏みつぶし、俺をまるごとその手の平の上で転がそうってゆーのか、アンターーー?!
いったい何が目的なんだぁぁぁーーー!!

「私、立派な人形遣いになりたいんです! どうかカンクロウさんの弟子にしてください!!」

真剣に訴えかける彼女の声に、俺の暴走しがちだった意識が理性を取り戻す。

いやいや、人形遣いってやめてくんない?
傀儡子って呼んで、傀儡子って。
人形遣いって言われると、なんか見世物っぽいじゃん。
劇っぽいじゃん。
これでも生死のボーダーさまよう戦士だから。
って、あ、そうか―――。
弟子じゃん、弟子……。
俺に修行つけてほしいってことじゃん。

その考えに俺は心の中でクッと笑った。

ま、今はそうゆーことにしといてやるじゃん。
本当の目的は、修行という名の殻を破って俺とラブアフェアーしようってことなんだろ?

何を聞いたところで俺の思考回路は俺と彼女の愛の摩天楼にしか行きつかない。
しかし、この考えこそ正解というべきものだろう。
仕方のないことだ。
俺は彼女に向って、

「く・ぐ・つ・し、ってのはそんなに甘くないじゃん。弱音吐かれても困るじゃん。大丈夫かよ?」

さりげなく、傀儡子って呼べぇーーー! 的な訂正を言葉の響きに含ませつつ、その覚悟のほどを確かめた。



(ページ2/13)
-2-
|
 back
select page/13

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -