君ニ捧グ-3 (ページ7/10)
 bookmark?


突然の意味不明な赤丸の行動に、

「何してんだよ?!」

俺は赤丸を怒鳴りつけると、すぐさま、音をたてて砕け散ったフォトフレームに駆けより、拾い上げた。

「なんてことすんだよ、赤丸?!」

睨みつけた俺の目を、赤丸は正面から見返して、

「ウゥゥゥーー」

と唸った。
その目に、その迫力に、なぜかすごく威圧される。
赤丸の、俺の心を見透かすような目が、俺の胸に容赦なく突き刺さって、

コイツ、俺の気持ちが見えてる……。

俺の心臓がドクンッと音を立てた。
ずっと一緒にいるから俺の気持ちがわかるんだろうか。
赤丸には、マリアを思って苦しむ俺も、名無子に惹かれて戸惑う俺も、その両方が見えてる気がした。

「赤丸……」
「ウゥゥゥーー」

唸り続ける赤丸の気持ちが伝わってくる。
つらい顔してんなって言ってる。
マリアを思い続けて苦しむ俺を見てたくねぇーから、きっと、赤丸は写真をこんなふうに投げつけたんだ。



(ページ7/10)
-7-
|
 back
select page/10

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -