君ニ捧グ-3 (ページ6/10)
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二年……?
二年も里に帰って来ねぇーっていうのかよ?

自分の部屋に戻ってきた俺は窓を開けると、火影様に渡された演習場のパンフレットを机の上にパンッと置いた。
そのまま机に両手をつく。
机の木目を睨みつけた。
変な動揺が自分の体を貫いて、俺の心が落ち着かない。

なんだって、こんな思いになるんだよ?

俺はギリッと奥歯を噛んだ。

アイツが里にいたって、俺達はもう会うことなんてないんだ。
だったら、里にいようが里から何年いなくなろうが同じじゃねぇーか。
関係ねぇーだろ?
俺には関係ねぇーだろ。
俺はマリアのことだけ思ってんだぜ?

自分にそんな理論をぶつけ、じっと動かないでいる俺の姿を、そばで赤丸が静かに見つめている。
その赤丸が不意にステレオのそばに近づいて、マリアの写真が入ったフォトフレームを口にカプッとくわえた。
そして。
赤丸はいきなり首をブンッと振って、フォトフレームを思いきり壁に投げつけた。

ガシャァン!

――ッ。



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