君ニ捧グ-3 (ページ4/10)
火影室の扉を開くと、火影様は必死の形相で、バッサバッサと分厚い任務依頼帳をめくっているところだった。
俺と赤丸の姿に気づいてその手を止める。
「任務ご苦労」
綱手様は俺らに労いの言葉をかけると、さっそく本題に入った。
「いつもお前達には長期任務に出てもらっているが、しばらくは単発の任務も手伝ってもらいたいんだ。というのも、名無子がいなくてだな。その穴を埋めて欲しいんだよ」
その言葉に、俺は思わず反応を示す。
は?
名無子がいない?
「どーゆーことですか?」
「名無子は今、里を離れて修行に出てるんだよ」
修行だと?
俺は顔をしかめた。
修行なら、ここでできんだろ?
納得のいかない俺に綱手様が説明し出した。
「アイツの使う忍術は水遁なんだが、この辺りだとたいして大きい川や滝がないからな。なかなか思いきり修行も出来ないだろ? そこでだ。火の国の海岸線沿いに演習場を設けたんだよ。海なら水も豊富で場所も広い。修行の効果もあがるはずだ。名無子は今、そこに行ってる」
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