episode.01 (ページ1/2)
bookmark?真っ白な世界に立っていた。
四方八方見渡す限り白一色で、他には何も存在しない。
その中で、唯一僕だけがいつもの忍服姿で薄い影を落としている。
僕はちょっとだけ途方に暮れた。
これから、どこに行けばいいんだろう？
こんなとこにいたってしょうがない。
どこかに行かなければ。
そう思うけれど、じゃあ、僕は、一体どこに行けばいいんだろう。
行き先なんか見つからない。
目的なんて持ってない。
僕はその場に立ちつくした。
そういえば僕は何も持ってない。
感情も、衝動も、大事な何もかも。
もう一度グルリと辺りを見まわした僕の目に、遠くの小さな点が映った。
白い世界に色を与えるキイロい光。
アレはなんだろう？
でも僕はアレを知ってる気がする。
僕はそれに向かって歩き出した。
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