アル・ワールド
雪ウサギ (ページ5/7)

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でも、チェッカーベリーの葉と実をつけて出来上がったのは名無子のものよりひとまわり大柄のウサギだった。
同じ大きさにしようと思っていたから、僕は、う〜ん、と思案気な声をあげた。

「ちょっと大きくなりすぎちゃったな」

けれど、僕のウサギを見て名無子が優しく告げる。

「このくらいの大きさのほうがちょうどいいんじゃない?」
「ちょうどいいって?」

何が?

意味がわからなくて首を傾げれば、彼女はウサギから目を上げ、僕の顔を覗き込んだ。

「だって、このウサギ、私たちふたりみたいだもの。私より背の高いサイは大きいほうのウサギ、小さいほうが私。だから、ね、これでちょうどいいでしょ?」

その言葉に僕はまたふわりと気持ちが軽くなる。

そっか。
僕たちふたりみたいで、ちょうどいい、か。

僕は名無子から雪ウサギたちへと視線を移す。
視界に映る二匹のウサギは顔の部分を寄りそわせ、上から見ると左右がちょっといびつなハート型みたいだ。
その仲の良い姿を見つめ、僕は静かに頷いた。

「そうだね、これがちょうどいい」

横で名無子が嬉しそうに笑う気配が届いた。



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