アル・ワールド
雪ウサギ (ページ2/7)

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それもいいかも。
そしたら、キミと一晩中、一緒にいられる。

付き合いだしてからも僕はあまり名無子の家に泊ったことはなくて、今晩泊ることになったとしたら、それは素直に嬉しいと思った。
淡く白い湯気の立つ紅茶を一口含む僕の前で、名無子がなんとなくモジモジした雰囲気で、

「そ……そっか。もちろん私はそうしてくれて構わないんだけど……」

小さく同意を示す。
目をあげれば、どことなく頬を赤らめた名無子の顔が視界に映った。

照れてるのかな。

そんなことを思ったら、僕の頬はさらにゆるんでしまった。
名無子が恥ずかしさを払拭しようというのか、熱い紅茶をクイッと勢いよく一口飲み込む。
それから、カップをテーブルに置き、席を立った。
何をするのかと視線で追うと、彼女は窓のそばに行き、外の景色を眺め始めた。

「あ、もう結構積もってる」

外に目をやったまま名無子が僕に報告してくる。
その声に僕も腰をあげ、彼女の隣に並んで立つ。
名無子がガラス越しに外の様子を指差した。

「ね、ほら、白くなってるでしょ?」
「ほんとだ」



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