リアル・ワールド
episode.05 (ページ3/4)
任務遂行後、僕らは木の葉の里を目指して移動を開始した。
僕の前を三人の仲間がさっそうと森の中を駆けてゆく。
いつもならこのくらいどうってことないのに、今日の僕の体は本当に調子が悪いらしい。
息を切らしながら必死についていく。
任務は僕のすべてだ。
任務をしているとき、僕はこんな世界にも自分の居場所を見つけられる。
だから、任務で拘束されることは嫌じゃない。
それどころか好ましいくらいだ。
だけど、今日は違う。
僕は任務を早く終えたかった。
そして、どうしてだろう。
すごく彼女に会いたい――。
ずっと頭の中に浮かび続ける名無子のことを、僕の何かが求めている。
刻々と悪化していく体調と共に、その何かは僕の中でどんどん大きさを増していって、それに比例するように彼女に会いたい思いが膨らんでいく。
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