アル・ワールド
episode.04 (ページ5/5)

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「バカじゃないか?」

僕の口がざわつく体に耐えきれず、そう動いていた。
理性を飛び越えようとするこのざわめきは一体なんなんだろう。
それに追い立てられるように、僕はさらに言葉を続ける。

「そんなこと思ったところで何の価値もないよ」

この僕でも、今、自分の言葉が人を傷つけてるであろう事くらいなんとなくわかっているのに、それでも僕は口を閉じることなく、

「くだらない。本当にバカげてるよ。僕にはまったくわからないな」

言い捨てるようにそう言うと、名無子の顔も見ずにその場を立ち去った。

余計なモノ――。
そう、キミも、キミと一緒にいて生まれる全てのモノも、僕にとっては余計なモノなんだ。
でも。

僕は自分自身に問いかける。

自分の体を支配するこの変なざわつきも、キミが生み出す余計なモノだって言うんだろうか。

それに答えるかのように一つの言葉が浮かびあがる。

『余計なモノに気を取られるなよ?』

いつの間にか走りはじめた僕の頭に、仲間の声が何度も響いた。





to be continued.
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