昼の月
episode.09 (ページ1/5)

 bookmark?


ふたりは順調に任務を進めていった。
相変わらず名無子は自分からわざと攻撃を受けに行くことがあるが、そんな気配を察するたびサイは横から割って入ってその狙いを阻止し続けた。
それを名無子が当然快く思っていないことは空気を読めない自分であっても充分知れる。
だけどサイはやめなかった。

だって自分の仲間が傷つくのはやっぱり嫌じゃないか――。

サイはたった今終えた敵との戦いで森の中に散乱した忍具を拾いながら、倒した用人のそばでビンゴブックにバツ印をつけている名無子を見つめた。
正直なぜ名無子が自分から敵の攻撃を受けに行くのかはいまだにわからない。
名無子がその理由を言ってくれるわけではないし、サイ自身、相手の言わぬことをその行間を読むように理解してみせるのは非常に苦手なおこないだ。
とはいえ、サイも一生懸命わかろうと頑張ってはいる。
頑張ってはいるのだが、そのくらいの努力ではようとして知れず、それどころか名無子とつながりを持てるようにと願う思いさえも全く相手に届かぬ感じだ。

仲間に思いを伝えるっていうのも難しいものだな……。

サイはナルトやサクラのサスケに対するくじけない意志を思い浮かべた。



(ページ1/5)
-41-
|
 back
select page/92

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -