昼の月
互い贔屓 (ページ5/10)

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そこでナルトが「あッ」と名無子に顔を向けた。

「なぁ、名無子も一緒に……」

誘いの言葉を言いかけたところで、サクラが強引にナルトの腕を引っ張った。

「ほら、ナルト、行くわよ!! サイも!!」
「え、サ、サクラちゃん……」

ズリズリと引きずられだすナルトを見送り、サイが名無子に説明した。

「今から二人と甘栗甘に行こうって話してたんだ」
「そう、甘栗甘に……」
「よかったら名無子も一緒にどう?」

名無子がナルトとサクラの背を見つめ、スッとサイに視線を戻した。

「あの……サイ」
「ん?」

言い淀む名無子に首を傾げると、名無子は遠慮がちにサイに訊ねた。

「サイは……彼女と仲がいいの?」

え?

予想してなかった質問に目を瞬かせた。
すると名無子が言い訳するように急いで言葉をつなげた。

「その、前も病院で親しそうだったし、今日もこれから甘栗甘に行くんでしょう? あのサクラっていう子とはいつもそんなふうに仲がいいのかなって……」



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