昼の月
互い贔屓 (ページ3/10)

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サイと名無子が出会って直後、任務でケガをして木の葉病院の訪れた。
そのときに名無子とサクラは顔を合わせている。
だが、それは最悪の対面だった言っていい。
案の定、

「ええ」

サクラが硬い表情でうなずき、チラリと名無子に視線を走らせる。
でも、それで終わりだ。
それ以上、挨拶や会話を交わす気はないらしい。
名無子も名無子で、視界に入れただけで、特になにを言うわけでもなかった。
そんな硬い空気の中、ふとナルトが何かに気づき、名無子の髪を指差した。

「あれ、名無子、髪の毛になんかついてるぞ」
「え?」
「木の葉かな。俺が取ってやるよ」

親切心からナルトが手を伸ばすと、名無子はあっさりと体を引いた。

「いいわ、自分で取るから」

でも、と言い募るナルトをしり目に名無子は自分の髪に手をやってついているものを取ろうとする。
しかし、なかなかうまく取れず、ナルトが位置を教えはじめた。

「あ、もう少し右だってばよ。……ちょっと行き過ぎ。やっぱ、俺が取って……」

見かねたナルトがそう言いかけたとき、名無子がサイを見上げた。

「サイ、取ってもらっていい?」
「うん、いいよ」



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