昼の月
episode.17 (ページ2/3)

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目に映る閉塞空間。
そこは山か何かの内部をドーム状に掘ってできた穴の中だった。
その中に彼らのアジトである建物が、周りの土に埋もれるように窮屈そうに建っており、まるで穴の中に無理やり建物を押し込めたといった様相を呈している。
向かって右側に三階建ての建造物、その一番左の部分と接して円塔が林立し、塔の一番高い天辺部分などは穴の天井であるドーム型の土についてしまっている。
上部の土に圧迫されて身を縮めるようにして建つそれらは石を組み上げた強固な作りでできているのだが、なぜかところどころ崩れ落ちた跡が見られ、修繕されている様子だった。
目の前に聳える建造物を見つめ、名無子が薄く口を開けた。

私はこの建物を、知ってる……。

自分の前にアジトの親玉であるキリが、名無子の見覚えのある住処を背にして立つ。

「覚えているようだな」

名無子が男の目を見返した。
その目がぎらっと光を増し、憎悪の色に燃え上がった。

「これはお前が半壊にした俺のアジトだ」

あぁ、そうだ、忘れもしない。
ここは、この建物は、私が下忍時代に潰しかけたモノ――。



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