昼の月
episode.15 (ページ2/3)

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いつの間に動きを見せたのか、一番厄介であろう人物キリが戦いの見物をやめ、名無子を攻め込んでいた男ふたりの加勢をしたらしく、名無子を拘束に伏していた。
キリが名無子の首を草履ばきのでかい足裏で地面に踏みつけ、他の男どもがその拘束を補助するように名無子の腕や足に取りついて押さえ込んでいる。
グリッと足に力を入れたキリがサイに恫喝の視線を寄こす。

「なかなかやるなぁ、キサマ。だが、おとなしくするんだな。でなければこの女、今すぐ殺す。」
「殺せ……ば、いいッ……」

男の足元から名無子が首を圧迫された苦しさでとぎれとぎれに言葉を吐き出した。
キリは視線だけでチラリと名無子を見ると、フンと一笑し、片足にさらに体重を乗せた。

「ゥグッ……!」
「うるさい女だ、お前は黙ってろ」

視線をサイへと戻し、キリは続けた。

「さぁ、どうする? まぁ、お前も忍だし、しかも仲間はこんな女ときてる。助ける必要を感じないかもしれんよな。それなら好きに動いて構わんぞ」

用人、親玉、さすがにそれだけのことはありそうだと思わせるだけの威圧感がこの男にはある。
下手に動けばすぐに名無子は殺されるだろう。



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