昼の月
episode.14 (ページ3/4)

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「なんだ、お前ら?」

村と林の間で燃え盛る村を前に呆然と立っていたサイと名無子に男たちの不審そうなまなざしが一斉に注がれた。

「村の人間じゃねぇなぁ。って、そりゃあ、そうか。やつらは全員、俺らが殺しちまったしな!」

ハハッと笑い声を立てたあと、男どもはニヤリと二人を見つめた。
この二人もここで始末してしまおうと言っているような残忍な表情だ。
そんな彼らの前でもサイは全く臆することなく、いつも通りの冷静さで彼らを見返している。
そして、

間違いない。
あれが今回のターゲット、キリ――。

サイの瞳はまっすぐに彼らの真ん中、親玉の男に向けられていた。
その揺るぎない視線を察したのか、親玉であるキリという男がサイを見る。

「ほぅ、木の葉の忍か」

サイの額あてにあるマークに目を留め、キリは少しばかり目を細めた。
それから続けてサイの横に立つ名無子に目を向けた。
途端に男の顔が激しく歪む。

「お前……」

お前?

サイの視線がキリの顔から名無子の横顔へと移行し、その表情をうかがった。



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