昼の月
episode.01 (ページ5/5)

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返された名乗りに、サイは持っていた任務指令書へと目を落とした。
編成メンバー欄に自分の名と並んで印字された名無子という文字を認め、あぁ、と頷く。

「よろしく、名無子」

サイはスッと立ち上がって右手を差し出した。
名無子はその手にチラリと視線を走らせただけで握ろうとはしない。
軽く無視され、握手を拒絶されたと気づいたサイは行き場を失った手をどうしたものかと右手を見つめ、そんなサイに名無子は表情もなく訊ねた。

「アナタ、強い?」

サイが、え? と名無子を見る。
一瞬間を開けて、サイは答えた。

「結構強いと思うよ。キミはどうなの、名無子?」

名無子は迷うことなく口を開く。

「私は強さも弱さも平凡よ」





to be continued.
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