昼の月
episode.09 (ページ3/5)

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周りを明るく照らし出す太陽みたいなナルトやサクラと、夜の闇に絶対的な輝きで光る月のようなサスケ、彼らはどこかとても完璧で、自分のようなつまらない存在とは明らかに違う。
そんな自分がサスケと同等に大事に思われたいなんてきっと不相応だし、第一、人との関係の強さなんて比べ合うべきものではないのだろう。
ナルトとサクラはこんな自分でも本当に大切に付き合ってくれているし、そのことは充分理解できている。
なのに、それでもなお、自分はナルト達の作るそういうつながりに憧れ、無意味な比較を重ね、どこかでやっぱり寂しいなんて我儘なことを思ってしまうんだ。

だから、いつか。

そう、いつか自分も彼ら三人と同じくらい強いつながりを誰かと築きたい。
例えばそれは、相手がナルトやサクラたちではないかもしれない、関係も彼らたちのものとはちょっと違うかもしれない。
でも、それでいい。
ナルトにはナルトの、サクラにはサクラの、大事な相手との大事な関係、大事な絆とその形が多種多様にあっていいはずだ。

だから、必ず。
自分には自分に合ったつながりを、こんなつまらない自分でもいつか強いつながりを、持てるようになりたい――。



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