昼の月
episode.09 (ページ2/5)

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あの二人の何ものにも屈さぬ強さは本当にすごい力だと改めて思い知る。
そして、彼らの思いすべてを一身に集めてしまえるサスケという忍が自分には羨ましくてたまらない存在に感じた。

本当は自分もあの二人にそれぐらい大事に思われたいのかもしれない。

もちろんナルトやサクラの気持ちがサスケに届き、再び皆が仲良くできる未来が来ることを願っているし、そうなったら嬉しいと思うのも本当だ。
だからこそそのためにサイ自身いろいろ協力をしている。
しかし同時に二人に傷や痛みを与え続けるサスケをそこまで追いかけなくてもと理性が反発するのも確かだし、それでも二人に希求されるサスケのことを何かひどく羨望してしまう自分がいるのもまぎれもない真実だった。
それはきっと自分もサスケがあの二人に思われる強さと同じだけ強く思われたいという、そんな気持ちの現れなのだろう。
平たく言えば、要は嫉妬、だ。
だが、その反面、サイはわかってもいる。
サスケと比べ、自分はナルトやサクラと付き合いが短く、交わしあった思いの量も絆を強めあった出来事の量もずっと少ないということを。
さらには自分は彼らとはずいぶんと違う存在であるということも知っている。



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