昼の月
episode.03 (ページ6/6)

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その手を休めることなく、サクラがふっとサイに訊ねた。

「根の忍って……みんな、ああなの?」
「ああなのって?」

サイが首を傾げた。
その様子に自分の言葉が足らなかったと気づいてサクラが説明を付け足した。

「仲間を大事にしないっていうか」

あぁ、とサクラの問いを理解してサイが頷いた。

「まぁ、否定はしないよ」

さすがに根ではナルトやサクラのように、そしてカカシのように、仲間の命を最優先にとはいかない。
第七班みたいな仲間を守ろうとする意識は根の任務においてはその効力を消失しているのが現実だ。
そして、名無子にいたってはその根の特徴が顕著に現れていると言えそうだった。

「根の忍に仲間意識が薄いのは確かだから。さっきの名無子はそれが色濃く出てるよね」

サイの冷静な返事を聞いて、「そう」とサクラが黙りこむ。
サイがサクラに目を向けた。

「それがどうかした?」

なぜそんな質問をしてきたのか知りたくてサイがサクラに訊ね返すとサクラは小さく首を振った。

「ううん、なんでもない。ただ……」
「ただ?」
「なんかあの子、サイに似てたから。私たちと初めて会った時のサイにね」

サクラはサイの顔を見るとどこか懐かしそうな目をして笑った。





to be continued.
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