昼の月
episode.03 (ページ5/6)

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ブチ切れるように叫んだサクラをサイが静かに制した。

「サクラ、いいんだよ」

そんなふうに僕のために怒ってくれなくて。
名無子の言うことももっともだから。

「でもッ……!!」

納得いかない響きの声を漏らし、サクラはサイを振り返る。
そのサクラに追い打ちかけるように、名無子は何の変化も見せぬ表情と口調で訊ねた。

「もう行ってもいい?」

キッと名無子を睨んだサクラの代わりにサイが落ち着き払って答えた。

「構わないよ。僕も治療が終わり次第、大門に行く」
「……」

名無子はサイをチラリと見て、無言で部屋を出て行った。

「なんなのよ、アレ……頭きちゃう」

サイの隣で戸口を見つめながらサクラが苛立たしげに呟いた。
それでも気を取り直すようにサイのほうへと向き直る。

「ごめん、治療が途中だったわね。すぐ治すから」

サクラは治療を開始し、サイの肩にチャクラを流し込む。



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