昼の月
episode.03 (ページ3/6)

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僕のこと、心配してくれてるんだな……。

サクラの仲間思いな姿にサイはちょっとだけ、怪我をするのも悪くナイ、なんて思う。
ついつい頬がほころんだ。

「根の任務、大変ね。サイにこんな傷を負わせるほど強い敵と戦うなんて」

治療を続けながらかけられたサクラの労いの言葉に、サイはその間違いを簡単に訂正した。

「あぁ、この傷なら違うよ、敵から受けたモノじゃない」
「え?」

言葉の意味を察しかねたのか、サクラがサイの顔をマジマジと見る。

「敵から受けた傷じゃないって……」
「これは仲間に刺されたモノだよ。仲間が敵を始末する際に僕ごと一緒に刺したんだ」
「はぁっ?!」

サクラの濁りの無い真っ直ぐな瞳がその瞳孔を大きく開く。
続いて診察室いっぱいにサクラの怒りのオーラが広がった。
と、そのとき、ガラリと気遣いの欠片もなく診察室の引き戸を開いた者がいた。
目を向ければ戸口のところに、

「……名無子」

相変わらず無表情な顔をして名無子が立っている。
その目がスッとサイをとらえた。

「私の治療は終わったから。そっちが済んだら大門まで来て。待ってる」



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