昼の月
episode.03 (ページ2/6)

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「サイ! 大丈夫なの?! 任務で怪我って……!!」

診察室に飛び込んできた医療忍者に、サイはベッドに腰掛けたままニコッと笑った。

「手当を頼むよ、サクラ」

木の葉の里に近い場所で戦っていたことが幸いした。
サイと名無子は一旦、里に戻り、木の葉病院ですぐさま怪我の治療を受けることができた。
名無子の手裏剣傷はともかく、サイのほうは命にかかわる重症とまではいかないものの、その傷は自然治癒を待っていられるようなレベルではない。
背面から正面へ肩を刀でキレイに貫かれているのだから、早急に手当てしないことには次の任務もままならない状態だ。
当然名無子もそのことは理解しており、また里への距離もたいしたことがないことから、二人で一度帰還することになった。
もしかすると名無子は、里から遠い場所に二人がいたとしたらサイだけ帰して任務を一人で続けていたかもしれない。
そのときはきっとダンゾウからサイの代わりの忍を遣わしてもらっていただろう。
そう思うと、名無子が一緒に戻ってきたのは決して名無子が彼の傷を心配したからではなく、単に地の利のおかげだけだと言える。
サイのそばに駆け寄り、傷の様子を目にしたサクラが大きく顔を歪めた。

「ちょっと何よ、コレ?! 止血はしてあるけど酷い傷じゃない!!」

サクラが心配そうにサイの目を見る。

「すぐ治すわ」

サクラはサイの肩に視線を戻すと両手を近づけチャクラを集め始めた。
懸命に治療に当たるサクラに体だけではなく、心まで温かくなるようだ。



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