昼の月
episode.20 (ページ2/2)

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脇息にもたれた体を起こし、胡坐の上の身を乗り出すようにして両手を組んだ。

「敵の前から逃げ出した腰ぬけが一体なんの用だ。あの女を助けにでも来たのか?」
「それならわざわざこんなところに顔は出さないよ」
「それもそうだな」

キリはサイの言葉を軽く流して、では目的はなんだ、と言うように軽く目元をしかめた。
サイの怜悧な顔が能面じみた無表情で口を開く。

「僕の任務はあなたを始末すること、だからそれを果たしに来ただけだ」
「女のことはどうでもいいが、任務はやりとげなきゃならないってわけか。なるほど、忍らしい答えだな」

キリは顎に手をやり、頷いた。

「まぁ、そういうことなら。まずは俺の部下たちの手厚いもてなしを受けてもらおうか」

落ち着き払ったキリの声を受けて、部屋に散らばっていた男たちがサイめがけて一斉に押し寄せた。





to be continued.
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