昼の月
episode.19 (ページ4/4)

 bookmark?


相当長い縄梯子を一心にくだり続けて10分といったところだろうか、果てしなく広がっていた細長い闇がようやく足元で小さな光に収束された。
サイは用心深く自分の身が闇に溶け込んだ状態でいられる位置で進みを止めて、下方に首を伸ばし様子をうかがう。
自分が伝ってきた縄梯子は途切れることなく、光に晒されたところからさらに先にも伸びている。
その様はまるでヘリから落とされた救命ロープのようだ。
覗いた下方では石造りの床の上、アジトの連中が武器を手によぎる姿が見えた。
蝙蝠から得られた情報ではこの穴はアジトの建物の屋上部に到達するはずだ。
穴の下を過ぎる男たちはその屋上に配備された警護なのだろう。
様子を確認し終えたサイは軽く体勢を立て直し、縄梯子にしがみついたまま静かに印を組んだ。





to be continued.
(ページ4/4)
-75-
|
 back
select page/92

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -