昼の月
episode.02 (ページ2/4)

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ビンゴブックに載る用人の排除、それが二人に課された任務だった。
その数たるや結構な件数に登り、作成されたビンゴブックもかなりの厚さを誇って一人でこなすには厳しい量と言える。
そのためダンゾウはサイと名無子の両者をこの任務に差し向けたようだ。
ついでに二人という人員を割くからには早く終わらせろというプレッシャーもかけているに違いない。

「あぁ、一人見つけた」

林の片隅にしゃがみ込んで、サイは探索用にばらまいた墨絵のネズミを巻物に回収しながら傍らにつっ立っている名無子に告げた。
すかさず質問が返される。

「どの人?」
「ビンゴブックの……真ん中あたりに載ってる人だよ」

サイは肩からリュックを降ろし、分厚い冊子を取り出すとパラパラ、ページをめくり始めた。

「うん、この男だ」

真ん中過ぎのページまで来たとき、サイは一人の男を指差した。
二人はターゲットとなる人物の多さから、冊子に載っている順通りに探すことはせず、探査に引っかかった人物から当たっていくことにした。
探査に引っかかると言うことは、つまりその者が自分たちの一番近くにいるということに他ならない。
下手に最初のページの用人から潰すより、今近くにいる者から始末する、そのほうが効率がいいと踏んだ二人はまずブックのやや後ろに載っている男を見つけたというわけだ。
サイが巻物を忍ポーチに収め、立ち上がった。

「行こう」
「えぇ」

二人は男を抹殺するために、その居場所へと移動を開始した。





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