Break for
episode.18 (ページ1/3)

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目覚めたとき、俺は畳の上で横になっていた。
自分の部屋の真ん中で倒れ込むように寝込んでいたんだ。
俺は気だるい体を起こすと、体の上にかかっている毛布を軽くつかんだ。

毛布……。

寝倒れたわりには押入れから毛布を引っぱり出すなんて器用なマネをしている。
そんな芸当がにわかには信じ難くて、胸に疑問が浮かんだ。

この毛布、自分でかけたんだろうか?

俺は昨日、家に辿りついた時の、疲労で曖昧な記憶を少しずつ蘇らせていった。
深夜の帰宅。
疲れてて、帰るなり廊下に座りこんだはずだ。
そして。
そう、そのとき確かアイツが、

名無子がそばにいた。

「お帰り」って声をかけられて、あんな真夜中に帰った俺を出迎えるヤツなんか今まで誰もいなかったのに、昨日はそんな出迎えを受けて、俺は心のどこかでほんの少し、ホッとしたんだ。
ホッとして、いつもなら絶対に口から漏れださない弱音を、俺はアイツの前でこぼした気がする。

それをアイツは……。

「あぁ、ダメだ」

俺はあきらめるように目をつぶった。



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