Break for
episode.14 (ページ1/2)

 bookmark?


日向家に来て四日目になる。
その間、私は幾度となく逃亡を企ててはすんでのところでフミさんのトラップに気づき、撤退を余儀なくされていた。
一回目のように見つかるヘマはしていないが、あれ以来フミさんの監視の目が、さらにはトラップの数、その容赦のなさにも拍車がかかったように感じるのは考え過ぎだろうか。
ネジはといえば、ヤツはヤツで、

「お前、しょうゆ入れ過ぎだ、しょっぱい」

とか、

「キサマの料理は核兵器並みの脅威だ」

とか、とにかく文句を垂れまくり、そのくせなぜか毎食、私の破壊力バツグンな手料理をきちんと平らげてしまっていた。
確かに料理はひどかった。
自分で言うのもなんだが、私もネジと同じものを食べているわけで、それがもし自分で作ったものでないのなら絶対食べたくないと思うほどのひどさだ。
私の場合はまだ、自分で作った責任から仕方ないという諦めの念も生まれようが、他人のネジはそんなこと思う必要もなく、だったら食べたくないという気持ちはひときわ強くあるだろう。
なのにネジは、食べてしまう。
完食するネジを見るたびに、私の胸の中にはコロンとした変な違和感を落とされて、そうしてその違和感を消し去ろうと私は躍起になっていた。
それが何なのか、どうしてこんなにも消し去りたいのか、そこは私にもはっきりなんてわからなかった。



(ページ1/2)
-60-
|
 back
select page/141

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -