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episode.11 (ページ1/1)

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慣れない食事作り、やったこともない洗濯板での洗濯。

なぁーんだって、こんなことやってんだ、私……。

フミさんに使えと言われた自室に戻り、私は畳の上にうつ伏せに転がった。

早く家に帰りてぇーー。

フミさんには嫁ぎ先の姑のごとく締めあげられ、ネジからは命の危機さえ感じるほどの怒りを食らい、まだここに来て二日目だというのになんなんだろうか、この疲労感、ストレス感。
家に帰れば今までのように上げ膳据え膳の生活が待っていて、こんな変なストレスとはおさらばなのに。

ったく、逃亡できなかったのはマヂ痛い……。

私は今日試みた逃避が阻止されたことを心の底から悔いつつ、寝がえりを打った。
虚ろな目でもって天井を見上げる。
目に映る天井の木目を意味もなく眺めていると、不意に私の頭にネジの姿が浮かんできた。
物干し台の前で日頃のクールさからは程遠い勢いで猛烈に怒り狂っていた姿と、そして――今朝見せた意外な一面。
脳裏を通り抜けていくそれらの記憶が私の胸をモソモソと妙にざわつかせて、私は無言でムックリと上体を起こした。

…………。

ムゥーッとした顔のまま、忍ベストのポケットから巻物を一本落とす。
私はその巻物をひとり静かに見つめた。





to be continued.
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