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episode.21 (ページ1/3)

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「ハァッ!!」

気合いの入ったかけ声とともに、ガッ、バシッと腕や足の当たりあう音が響く。
今日、任務が休みの俺は、以前からたびたびお相手をしているヒナタ様の稽古に来ていた。
日向家宗家の庭先では、今まさに俺とヒナタ様の体術訓練が繰り広げられている。
ここに来る前、家を出るときに裏庭で洗濯している名無子に出くわした。
どこに行くのか聞かれ、ヒナタ様の稽古のお相手をしにいくと答えたら、あとで自分にも稽古をつけてくれと頼んできた。
そんなアイツを俺はあっさり却下した。

ひどかったろうか?
いや、そんなことはないだろう。

自分にそう納得させた俺をヒナタ様が右側から蹴りこんでくる。
その左足を右腕で弾き、俺は間髪いれず、左手で攻め返した。
バッバッバッバッと、息つく間もなく両手で俺に攻め立てられ、ヒナタ様が壁を背に追い詰められた格好になる。
修行の疲れも見え始めたヒナタ様に、

「今日はこのくらいにしておきましょう」

俺は静かに告げて、ヒナタ様に体を押さえつけていた手をどかした。
ヒナタ様がペコリと頭を下げる。

「ネジ兄さん、今日も修行をつけてくれてどうもありがとう」
「いえ」

ヒナタ様のお礼に優しく声を返し、

「では失礼します」

俺は宗家を後にした。



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