Break for
episode.19 (ページ1/3)
深夜に帰宅したネジを自室に運んだ翌日、私が裏庭で日課の洗濯をしていると、相変わらず隙のないキリッとした雰囲気でネジが通りかかった。
めずらしく今日はネジに任務が入っていない。
と、偉そげに知ったかぶったところで、私自身それを知ったのはついさっきのことだった。
今日に限って起こされた時間がいつもより遅く、首を傾げた私に、フミさんがそう教えてくれたのだ。
その休日のネジがどこかへ行こうとする姿を見て、私は辺り一面にブクブクと泡を飛び散らせながら訊ねた。
「あれ? どっか出かけるの?」
「あぁ。これからヒナタ様の修行のお相手をしにいく」
ネジが真面目な顔で答えた。
へぇー、修業か。
いいなぁー。
私はフミさんの妖術を使ったとしか思えぬ素早い先手のせいで、ただいま火影様公認の花嫁修業休暇中だ。
任務には行かせてもらえない。
それどころか、修業すらしていない。
唯一、体を動かすのは、そう、逃亡を試みた際にハマるフミさんの堅固なトラップを命からがら回避するあの瞬間のみ。
って、あれ、修業じゃないし!!
相当、殺人的だし!!
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