Break for
episode.02 (ページ1/8)
外に面した長い廊下を手入れの行き届いた庭を左手に眺めながら抜け、私たちは広い日本間へと通された。
だだっ広い部屋の下座でポツネンと二人、座布団の上に正座して時を数えていると、隣からネジが念押しとも言うべく、
「とにかくお前はしゃべるな」
低い声で唸った。
なによ、その態度……!!
ネジの天才的に上から指令のその態度にムッとするものの、
そうは言っても、ここまで来ちゃったしなぁ……。
私は困り顔で天井に視線を向けた。
これと言って自分のやるべき選択肢もなく、まず第一、こんな平々凡々な一介の中忍が普段とうてい入ることなどない日向家ご本家にいること自体なにやら恐ろしい気がしてきて、私の困惑はますます膨張していった。
どう考えても、やっぱりネジの言うことに従っているのが無難そうに思えて、
腹は立つけど仕方ない……。
「わかったわよ……」
不機嫌丸出しの声で私は頷いた。
すかさずネジがダメ押しするごとく呟く。
「恩を仇で返すなよ?」
(ページ1/8)-8-
←|→ backselect page/141