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episode.17 (ページ7/9)

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私の胸に頭を預けて爆睡するネジに、声の裏返り方も半端ない。
こんな声、どっから出てんだ?! とか無意味なツッコミを入れつつ、動揺の大海に迷うことなく撃沈中の私は、それでもなんとか意識を保ち、

と、とにかく、部屋に運んであげなきゃ……!!

ネジを起こさぬよう、細心の注意を払って、その体に触れる。
背後から抱きかかえるようにして、ネジの部屋までズリズリと廊下の上を引きずっていった。

ネジの部屋が近くてよかった……。

なんとか部屋の前までネジを運び、私はホッと息をつく。
部屋の障子戸を開けてみれば、そこにはネジの几帳面さを映し出すかのようなキレイに整頓された和室が広がった。
私の部屋と同じ畳敷きの室内にネジを運び入れ、畳の上にそっと体を寝かせる。

「悪いけど、ふすま開けさせてもらうからね」

一応ネジに断りを入れ、私は押入れから毛布を一枚取り出すと、

よいしょっと……。

その毛布を相変わらず睡眠脳波放出しまくりのネジの上にかけてやった。
電気を点けていないにもかかわらず、室内がほんのりと明るいのは、外に浮かぶ月の光のおかげらしい。
それが部屋の中にも降りこんで、灯りのない暗闇をかすかに照らしだしている。
規則正しい寝息を立てるネジにも降り注ぎ、月明かりを浴びたその端正な顔立ちが私の目に確かな輪郭で浮かび上がった。



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