Break for
episode.17 (ページ6/9)
それ以上、何の愚痴も言わず、目を閉じたネジの顔は、朝、出かけていったときとは比べものにならないほど疲労の影を色濃く落とす。
まっ白な着物も土で汚れ、ところどころ刃物で切られた痕さえ残し、任務の過酷さを物語っていた。
任務だって愚痴りたいほどキツイはずなのにね。
そんな愚痴を誰にも見せないネジを、今は純粋にスゴイと思った。
「ネジ。早く部屋で寝たほうがいいよ。明日も任務じゃないの?」
目をつむり黙り込んでしまったネジに声をかけると、
「スー……スー……」
疲れからもう眠り込んでしまったらしいネジの微かな寝息が返ってきた。
「ちょっと、ネジ? こんなとこで寝たらよくないってば」
躊躇しながらも寝入るネジの体に手をかけて、その肩を軽く揺する。
揺すったところで、相当疲れがたまっているのか、一向に起きる様子もなく、それどころかネジの体は力なくコテンと私のほうへ倒れてきた。
「ネッ……ネジ……?!」
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