Break for
episode.14 (ページ2/2)

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でもこの感覚をそのままにしておくと落ちつかないというか、なんというか、妙に胸がもやもやして息苦しくなってくる。
そんな私の葛藤など露知らず、ネジは今日も、しっかりを通り越して焼き過ぎの域にある黒く炭化した目玉焼きをしかめ面でキレイに食べ切り、任務に出かけていった。





ネジを見送って、そのあと私がやることと言ったら、桶と板を使っての洗濯だ。
先日、ネジの着物をボロボロにしてからというもの、私は仕方なしにちゃんと洗濯板でもって一枚一枚丁寧に洗ってやっている。
その洗濯に加え、食器洗いやら掃除の水拭きなど、とかく家事は水を使う仕事が多い。
毎日の慣れない水仕事にやられ、油分を失ったのだろう、ここに来てまだ四日にも関わらず、私の手は見るも無残なアカギレができている始末だった。
もっとも、それを理由にしたところで、あのネジのことだ、全然情状酌量は見込めない。
また下手な小細工を施し、洗濯を失敗でもしたら、今度こそ落雷のような怒りを放出するネジに首を絞められるに決まっている。

いや、ホント、ネジのは怒りというより死の恐怖だからな……。

小心者の私は既に屋敷にいないネジの白眼にビクつき、たまに背後をハッと振り向きながら、ブクブクと泡立つ石鹸水の中でネジの着物を一所懸命洗っていった。





to be continued.
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