Break for
episode.12 (ページ4/4)

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俺はもう一度、ハァーッと大きくため息を吐きだした。

着物といい、計画といい、アイツはホントになんでも壊そうとする。
あとは何を壊していくのか……。

うんざりと顔をしかめて、俺は畳の上にごろんと横になった。





その夜のことだった。
風呂も歯磨きも終え、あとは寝るばかりと部屋に布団を敷き始めたとき、俺の耳にやけに賑やかな声が飛び込んできた。
結構な人数で何かをガシャガシャかきまぜる音まで届いて、俺は布団を持つ手を止める。

…………。

部屋の壁へ目を向け、その延長線上にあるざわめき製造中の別室を無言で睨みつけた。
あたりはもう夜も深まり、人々が眠りに沈む時間だ。
こんな時間にその静けさを打ち破るような騒ぎを起こすアホがいるとすれば、そんな常識外れ、この屋敷で俺の知る限りひとりしかいない。

名無子ッ……。

俺は奥歯をギリッと噛みしめて、手にした布団を畳に叩きつけた。
部屋の障子戸をスパンッと開けて、俺は廊下の床板を踏み抜く勢いで歩きだした。





to be continued.
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