Break for
episode.07 (ページ5/5)
あ、なんか竹内まりなのあの名曲のタイトルみたい(嬉)。
って、この状況で(嬉)なわけあるかぁぁあーー!!
目の前の巨大桶には並々と水が張られ、洗剤があわあわと泡立っている。
その中からネジの着物と桶の縁に立てかけられた洗濯板が、さぁ早く洗え、といわんばかりに私を見上げ威嚇してくる。
たるい……。
こんな板でゴシゴシこすって一枚一枚洗ってられるか、ボケ。
私は即座に洗濯板を取り除くと、ポイポイとまだ未洗いの着物をすべて桶の中へと投げ込んだ。
そして指を組み、静かにチャクラを集めだす。
「ハッ!!」
気合いを入れて術を発動させた。
ユラ……ユラユラッ……と桶の泡が微かに動いたかと思うと、それは次第に加速を増して、右回りに回り始める。
フフンッ……甘く見るなよ、妖怪青武フミめ。
これぞ名無子特製自動洗濯機の術じゃい。
グルグルグルと桶の中の水流は泡と共にネジの着物を巻きこんでまわり続ける。
よかったわぁ、水遁使いで。
いっつも火とか雷とか使える忍に憧れてたけど。
私もゴォーとかビリビリッとか派手にやりたいと思ってたけど。
でも水もこんなに役に立つんじゃな〜い。
桶をホクホクと見つめる私の前で、水流はどんどん速さを速めていった――。
to be continued.
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