Break for
episode.07 (ページ4/5)
「全自動がいいんだけど。二層式はさぁ、ちょっとめんどいよねぇー」
「洗濯機は今、故障中でございます」
「は? 故障中?」
「そうでございます」
「いやいや、だったら洗濯なんてできないじゃないよ、早く直したほうがいーよ、洗濯機」
ダメ出しにも似たセリフを私が叩きつけると、フミさんはアッサリと、
「ご心配には及びません。洗濯機は使わずにこちらの洗濯板で洗っていただきますから」
「はい? 洗濯板?」
私は腕の中のデコボコ板に目を向ける。
コレか?
洗濯板っつぅーとコレか?
私の疑問に答えるように、
「愛しのネジ坊ちゃまのお着物、、キレイにして差し上げてくださいませ」
フミさんが私の腕からまな板におうとつをつけたような板っきれを引き抜き、その使い方を説明し出した。
「ではこの調子でよろしくお願いいたしますよ」
そう捨て置いて、一通り洗濯の仕方を教えご満悦のフミさんが裏庭からチョコチョコと立ち去った。
後に残されたのは、裏庭と白着物と私。
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