Break for
episode.06 (ページ2/5)
「ありえなくね?! マズイって食う前に言うセリフじゃねぇよ!! 第一こっちは朝飯抜く派だっつぅのに朝っぱらからお前のために作ってやったんだよ!! 感謝こそされ、そんな……」
「だからお前はアホなのか」
「は?」
突然口を挟まれ、思わず間抜けた声で聞き返すと、ネジは妙に満足したスッキリ顔で頷いた。
「朝食を抜くと頭に栄養が行かないからな。お前のアホさ加減に今、納得がいった」
ぬぉぉぉーー!!
腹立つぅぅーー!!
目の前の朝食が並んだ立派な樫の座卓をどっかの関白宣言オヤジばりに畳の上にひっくり返してしまいたい衝動に駆られていると、おもむろにネジの目が私の顔の上にピタリと止まった。
ん? と眉間にしわを寄せながら首を傾げた私に、ネジはどういうわけか真面目な表情で問いかける。
「で? 今日、お前は何時に起きたんだ?」
はい?
相変わらず唐突な質問に私は怒りも忘れてどもりがちに返事をする。
「え……な、何時って5時に起きたけど」
「コレを作るためにか?」
ネジが顎で手料理を指した。
「うん……まぁ、そうだけど……」
「ふぅーん」
ネジが何か考えるような顔で頷く。
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