Break for
episode.06 (ページ1/5)
日向家分家に囚われの身となった記念すべき第一日目は、日向家に着いたのがすでに夕刻で何ができる状態でもなく、とりあえずは明日に備えて体を充分休めるようにと何事もなく終わった。
早めに就寝し、枕が変わったところでまったく寝つきに問題のない私はすぐさま爆睡の域に達する。
そして、翌早朝5時、気持ちよ〜く眠っていた私を、
「起きなさぁぁあーーーい!!」
和室の障子戸をガラッと開けたフミさんが脳天に響く大声で叩き起こした。
「名無子さん!! いつまで寝ておいでですかぁぁあーーー!!」
寝ぼけた頭で私が無理クリ作りだしたご飯を前にネジが不機嫌に呟いた。
「マズイ」
それはそうだろう。
家庭科の才能を持ち合わせちゃいない私が作る料理などうまいわけがないんだ。
いや、しかし、そんなことより。
「っつぅーか、キサマ、食べてから言えぇぇーーー!!」
まだ箸に手をつけてもいないネジの暴言に眠気も吹っ飛ぶ憤怒を覚え、私は猛然と言葉を吐きだした。
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