Break for
episode.04 (ページ5/6)
事情を説明ッて……えぇぇーー?!
この茶番を日向家のオババが懇切丁寧にうちの親に説明してきたのかと思うと目まいがした。
真実でもない偽装婚約をうちの親はなんて思って聞いたのか。
さらにショックなのはこれでうちに帰る理由が消えてしまったこと、つまりここから出る口実が消えたという事実だ。
言葉もなく愕然と打ちひしがれる私の横で今まで静かに黙っていたネジがこんなときに限って、
「さすがフミさんだ」
いらんことをほざいて私の落下に追い打ちをかける。
きぃぃぃッ!!
キサマは黙ってろ!!
ガッとネジを睨みつけたはいいが、そんなことしたって状況は何一つ変わりはしなくて、私の立場はまったくもって袋のねずみもいいところだ。
『準備は整っておりますよ』
っつぅーか、あの言葉のイミはコレかい……。
頭に残る先ほどの言葉の意味を今更ながら思い知る。
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